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品切れや出荷制限の商品が出ているのはなんで?【社長ブログvol.21】

頼んだのに欠品とか言われて困るんだけど~

というお声を多数のお客様からいただいております。大変申し訳ございません。
巷でも騒がれているようにフライドポテトをはじめ海外からの輸入品に、輸入の遅れなどから欠品する商品が見受けられるようになりましたので、今回はこの辺の事情を書いていきたいと思います。

ポテト品薄の理由をまずご説明

あの大手ハンバーガーチェーンやフライドチキンチェーンがポテトの販売をしばらく休止しますという衝撃的なニュースが出てきています。
2月中旬以降からは回復し通常販売に戻っているようですが、それには輸入が滞っているというのが一番の理由です。

・コンテナが不足している

これは米中貿易摩擦が激しくなり、自国内経済を優先するというトランプ政権の流れから輸出入が減少するのでは?という見込みが2019年ぐらいにありコンテナの製造が減少していたのです。

・新型コロナウィルスのパンデミックが発生

2020年に入り新型コロナウィルスの感染拡大は中国から瞬く間に世界中に完全が広がり、多くの国ではロックダウンが行われ経済活動が急激に縮小しました。
それにより中国、アメリカなどの海上輸送も一時的に大幅に減少することとなりました。
しかしその後、中国は徹底したゼロコロナ対策で経済が急回復。アメリカを中心とした欧米各国も巣ごもり消費が活況となり2020年秋ごろからは急激に輸出入が回復することとなったのです。

・各国の港湾が大混乱

経済の急回復で海上輸送の荷物も急増したために、中国の主要な港からの出航が遅れだし、さらに受け入れ側もコロナの影響で人手が少なくなっているところに多くの荷物が来てしまったために混乱が起き、多くの荷物に影響が出始めるようになりました。

・運賃の上昇と遅延の常態化

こういった状況となり、様々な海上運賃が上昇してきています。
さらに物量の増加が収まらないため、アメリカの多くの港では海上に荷下ろしを待つ船が数多く停泊しているなど異常な状況が続いています。
そしてそんな中で働いているアメリカ西海岸の港では労働者の処遇の改善を求める労使紛争も続いておりまだまだ通常の状況になるのには程遠い状況で、アメリカ~日本の海上輸送は通常35日前後だったのが70日ほどかかっています。さらに2022年1月ー3月の欠便率が30%ー40%に上るとの予測まで出ており、まだまだ影響が続いていくものと思われます。

・カナダでの水害

さらに2021年11月中旬にはカナダで大雨による災害が発生し、輸送道路や鉄道に大きな損害が出てしまいました。これによりカナダ最大の港からの輸出が滞ることとなり、冷凍ポテト製品や小麦、菜種に影響が出ているとのことです。

臼田社長
ここまでがアメリカやカナダからの輸入が遅れポテトなどが欠品してしまっている要因です。

中国産のきぬさややほうれん草も…

臼田社長
そして、中国産のきぬさややほうれん草も品薄や欠品も出てきています。

・中国の一大産地である山東省の天候不良

ほうれん草は春作と秋作。きぬさやは春作での収穫となりますが2021年の山東省の春は気温が上がらず多くの農作物に影響が出てしまったようです。そして、秋には長雨による洪水などが発生し春作、秋作の農産物にかなりの被害が出て現在の品薄、欠品となっています。

・中国からの輸出も停滞気味

中国の港湾も世界的な巣ごもり需要の増加により大変忙しくなりコンテナ不足も相まって大幅に遅延が出ている状況です。運賃も上がっていってますのでますます厳しい状況です。

ラードよお前もか


そしてラードやイタリアの豚製品です

・豚熱

ここのところ世界中で感染が広まっている豚熱。
少し前までは豚コレラといわれていました。
豚熱(CSF)については農林水産省のコチラのページに詳しく記載があります。

豚熱の感染は中国、韓国、日本でも広まり、アフリカからもアフリカ豚熱という形でさらに感染力が強いものも出回っています。
これにより多くの豚が国内外で殺処分されました。
国内でも多くの地域で発生したので、こちらもラードが足りなくなる要因となっています。

・飼料用に回されている!?

動物向けの配合飼料には油脂も配合されています。
これが廃食用油が多く使われていたのですがこちらがバイオディーゼルの原料として輸出に回っているようなのです。
そこで今までよりも配合飼料向けとしてラードへの需要が高まり、原料不足になっております。

イタリア産豚肉・生ハムにも影響が…


また、イタリアでも豚熱が発生し、今後イタリア産の豚肉、生ハムなどにも大きく影響が出てきそうです。
特にイタリアンやバルでは欠かせない生ハムはここのところのコロナで在庫がだぶついていたのですが、インポーター各社が家庭用のスライスした生ハムへ振り分けようやく在庫がはけたところだったので国内在庫も少ないところに発生したために欠品する商品が多くなりそうです。

まとめ

といったような状況で アメリカ、カナダ、中国を中心とした海外からの輸入食材、原料などが不足、欠品などが起こってきております。

弊社としてもできうる限り皆様に供給が滞らないよう仕入努力を続けておりますが、どうしてもという商品も出てきているのが現状です。
これから5月くらいまで値上げもラッシュとなる中、大変申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人
臼田 真一朗

社会人スタートは味の素株式会社にて家庭用の営業!家庭用は神戸にてスーパーさんや問屋さん周りをしてました。関西の商いを学んでから、関東食糧へ入社。2013年から代表取締役しております。フードアナリスト1級、日本フードアナリスト協会理事、JSA公認ソムリエでもあります。食と仕事を通して皆さんの暮らしをより良くしていくために、より豊かで幸せな食空間を創造して世の中にわくわく、ウキウキ、いきいき、ドキドキを増やしてまいります!

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