牛肉の👅舌の部位を指す「牛タン」。タン塩・タンシチューなどのメニューで人気ですよね。
タンは英語の舌を意味する「tongue」の音を表したものです。 １頭から１キロ前後しか取れない希少部位。ビタミンＢなどの栄養素が豊富で美容・健康に良い食材とされています。
そんな牛タンについて、まとめてみました。
牛タンの歴史～
タン料理でまず思いつくのが、タン塩などのタン焼きですが、この牛タン焼きは宮城県仙台市が発祥の地とされます。
太平洋戦争が終わり日本が復興に向けて歩み始めた昭和23年、故・佐野啓四郎氏が仙台に牛タン焼きの専門店を開き、全国にその味を広めたことによります。
佐野氏は東京で料理の修業をしていたころ、外国人シェフから牛タンの味と旨さを教わり、試行錯誤を重ねた末に牛タン焼きを生み出しました。
焼鳥店など似たような店が多い中、他とは違う店を出したいと考え、そこで生まれた「牛タン定食」は戦後だからこそ生まれたメニューとも言えます。
食糧難で白米はなく麦飯。もちろんガスもないので炭火焼き。そしてテールスープ。とうがらしの味噌南蛮は佐野氏の出身地である山形県の伝統料理。箸休めの漬物は生野菜（サラダ）代わり。それが今の時代でも定番メニューとして、多くの人に愛され受け継がれています。
９月10日は「牛たんの日」
９月10日は「牛たんの日」。
牛・ぎゅう＝「９」、たん＝テン「10」と読む語呂合わせから、仙台牛たん振興会が制定しています。仙台の食文化であり名物として名高い牛タン焼きを、より多くの人に美味しく・楽しく・安全に食べてもらうのが目的です。
仙台牛たん振興会は“全国の人々に本当に美味しい牛タン焼きを食べてもらいたい”と、仙台市を中心とした牛タン専門店が加盟する団体です。
米軍残り物説はホント／ウソ？
仙台の牛タン焼きは、駐留米軍が残したタンとテールを使ったのが始まりとも言われていますが、実際のところ進駐軍は米本土から正肉ばかり輸入して、タン自体はほとんど輸入していなかったようです。
牛１頭から取れるタンは当然１本。もちろん米軍が残した（わずかな）タンを使っていたかもしれませんが、佐野氏は宮城県だけでなく周辺県のと畜場まで回ってかき集めていたそうです。
仙台の牛タンが有名になるにつれ、いつのころからか“米軍残り物説”が生まれたとのこと。戦後復興期には今でいう都市伝説が各地で生まれましたが、それはそれで“歴史のドラマ”ということでいいのではないかしょうか!?
牛タンは希少部位！
牛１頭からとれるタンの量は１キロ前後。牛の体重を400キロと考えると、牛タンはかなりの希少部位と言えます。
そんな牛タンの国内消費量は年間約５万トン。この１割＝5,000トンを（仙台市に県庁所在地を置く）宮城県が占めています。ちなみに…全世界で消費されている牛タンの量は約10万トンとも言われているので、世界中の牛タンの半分が日本で食べられていることになります。
世界の流通量の多くは、アメリカ産・オーストラリア産・ニュージーランド産が占めていて、仙台の牛タンもほとんどが外国産です。もともと希少部位ですから、国産牛のタンなんて超希少部位と言えます。
タンは必ずしも世界各国で好まれている食材というわけではありません。全く食べない地域もありますが、ヨーロッパ・南米ではよく食べられています。フランスでは昔から牛タンが珍重され、中世の時代には“全ての牛の舌は、その領主に帰属させる”なんて法律もあったようです。
日本ではタン焼きのほか、洋食メニューの定番とも言える「タンシチュー」が人気ですよね。海外でも肉を柔らかくするためにじっくりと煮込むことが多く、フランスにはラング・ド・ブッフ・ブレゼ（Langue de bœuf braisèe）と呼ばれる牛タンシチューがあります。
牛たんは美容と健康にオススメ！
牛タンには、たんぱく質・鉄分・ビタミンＡ・Ｂ群などが多く含まれています。ビタミンＢ群には「集中力が上がる」「ストレスを和らげる」ほか「お肌の調子を良くする」効果も期待できます。
一方、カロリーはカルビ・ロースなどの半分、脂肪は３分の１程度と低いので、美容と健康にもオススメの部位と言えます。
そして、牛タンのお供といえば麦飯ととろろ。麦飯は白米に比べてミネラルやビタミン・食物繊維が豊富、とろろ（山芋・長芋）もビタミン豊富で消化の手助けもしてくれます。
なので、高たんぱく低カロリー・低脂肪の牛タンと食物繊維が豊富な麦飯の組み合わせは、ヘルシー志向にもマッチしたベストチョイスなんです。
タンしゃぶもオススメ！
タン塩・タンシチューの美味しさは言うまでもありません。
さらにオススメしたいのが「タンしゃぶ」！野菜もたっぷり食べればさらにヘルシー！少しぐらい食べすぎても問題ありません!?
2023年は兎年。卯年は跳ねる年とも言われています。高く跳ねる１年にするパワーの源に牛タンはいかがでしょうか！
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