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美味しい料理に欠かせない“だし”について、少しだけうんちくまとめました~

美味しい料理に欠かせないものの一つに「だし」がありますよね。

「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ世界無形文化遺産に登録されて以降、和食への関心が高まっていますが、その中でも食材の持ち味を引き立てる日本のだしは世界中の食シーンで注目を集めているといっても過言ではありません。

そんな料理の基本“だし”について、少しだけうんちくをまとめてみました~

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まずは「味」について学ぶ

だしの前に、まずは「味」についてまとめてみました。

美味しいと感じるためには鮮度・食感・香り・見た目も大切な要素ですが、最も重要なのは“どのような味か”ですよね。

味の種類には「基本五味」と呼ばれる「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5つと(基本五味には含まれませんが)味の嗜好性に関わる「渋味」「辛味」があります。これらの味のバランスと組み合わせが、おいしさをつくる上では重要なポイントとなります。

味の相互作用

複数の味を合わせる(混ぜる)ことで味の相互作用が生まれます。この相互作用を活用することで、味に強弱をつけることができます。

【対比効果】複数の異なる味を混ぜることで、どちらか、あるいは両方の味が強める効果(甘味+塩味)。甘味に対する味覚を強めるために塩を使ったりします。
【抑制効果】複数の異なる味を混ぜることで、どちらか、あるいは両方の味を弱める効果(苦味+甘味)(酸味+甘味)(酸味+塩味)。コーヒーに砂糖を入れることで酸味・苦味を抑えたり、焼き魚にカボスをかけることで苦味などを抑える効果があります。
【相乗効果】同じ系統の複数の味を混ぜることで、その味がさらに強調される効果(うま味+うま味)。昆布とかつお節を合わせてだしを取ることで、味にコク・深みが強く感じられます。

コクは総合的な感覚表現

コクは美味しさを表す言葉としてよく使われていますよね。特にうま味が深く・濃いときに“コクがある”と言ったりしますが、味・香り・食感のすべての刺激によって感じる総合的な感覚表現です。

コクを増強することで味に厚みと広がりが出て、美味しさをUPさせることができます。増強する方法はさまざまですが、醸造成分・乳製品・肉の脂肪も大きく関係しています。

食品の官能評価(人間の感覚=味覚・嗅覚・視覚・聴覚・触覚を利用した評価)では、基本五味に加えて、コクを評価項目にする場合があります。

「うま味」と「旨味」

「うま味」は「甘味」「塩味」「苦味」「酸味」とともに基本五味の一つですが、一言で説明するのは難しいですよね。

「旨味(旨み)」は食べた後に「うまい!」と言うような感覚的なおいしさを表す言葉ですが「うま味」は科学的視点からみた特定の成分を表します。

「うま味」の代表的な成分として「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」などがあります。それぞれ食材の持ち味を引き立て、料理の美味しさを支えます。

うま味成分はさまざまな食品に含まれていて、グルタミン酸は昆布・野菜などに、イノシン酸は魚・肉などに、グアニル酸は干しきのこなどに多く含まれています。

UMAMIは世界共通語

日本では古くから、料理に昆布だしが使われてきました。昆布に含まれる成分に“美味しさのもと”があると経験的に知っていたんですね。

これに注目した東京帝国大学の池田菊苗博士が昆布だしの味の正体を明らかにする研究をはじめ、1908年、昆布からグルタミン酸を取り出すことに成功!

グルタミン酸が昆布だしの主成分であることを突き止め、その味を「うま味」と名付けました。その後、かつお節に含まれるイノシン酸、干ししいたけに含まれるグアニル酸も、うま味を示すことが解明されました。

この研究成果は国際的な場でも取り上げられ、1985年に開催された第1回「うま味国際シンポジウム」を機に、うま味(英語表記=UMAMI)という用語が国際的に使われることになりました。

うま味成分を解明した池田博士は「日本の十大発明家」の1人に選ばれ、「うま味」を使った“うま味調味料”は世界各地でさまざまな食品・料理に使われています。

うま味の相乗効果は日本だけでなく世界各地で活用されています。例えば、グルタミン酸を多く含む🍅トマトは、食材そのものとしてはもちろん、料理の味を引き立てるうま味成分としても大活躍しています。

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料理を支える「だし」を学ぶ

それでは、ここからは「だし」について学んでいきましょう。

だしは漢字で「出汁」と書くように、辞書で調べると“かつお節などの削り節、昆布・煮干しなどを煮出した汁。汁物・煮物などの味をよくするために用いる”とあります。

だしの歴史は

日本のおけるだしの歴史は古く、奈良時代のころから昆布とかつお節が使われていたようです。江戸時代になるとだしは重宝され、多くの料理に使われ、日本の食文化の一つとして発展していきます。

江戸時代の文献にはだしの記述が多く見られるようになり、中には昆布とかつお節の“合わせだし”に関する記述もあり、現代に近いだしの取り方をしていたことがうかがえます。

日本でだし文化が発展した背景に、仏教における肉食禁止の考え方があったとされます。実際には庶民を中心に野鳥・イノシシなどを“こっそり”食べていたようですが、主要な食材は米を中心とした穀物、野菜、魚介類。これらは肉のうま味と比べるとどうしても及ばない部分があり、それを補ったのがだしでした。だし文化は京都を中心とした関西から、全国へと広がっていきます。

昆布とかつお節の生産量

日本のだしといえば、昆布とかつお節ですが、昆布の生産量日本一は北海道で、2位岩手・3位宮城を合わせた1道2県で、国内生産量のほとんどを占めています。北海道の昆布といえば「利尻昆布」「羅臼昆布」「日高昆布」が有名ですよね。

かつお節に関しては、鹿児島と静岡の2県で国内生産量のほとんどを占めています。鹿児島の産地は「枕崎」と「指宿」、静岡の産地は「焼津」が有名ですよね。

世界中で愛されるだし

だしは日本が世界に誇る文化の一つとはいえ、日本だけのものではありません。だしの取り方こそ違えど、そのうま味は世界中で愛されています。

日本のだしは、昆布・かつお節などからうま味成分を抽出して、それを食材に移して浸透させることで本来の持ち味を引き立てるという独特のもの。

いわば名脇役。スッキリとしたうま味が特徴です。

和食では“だしが全て”と言われることもありますが、食材の持ち味を引き立てる日本のだしは世界でも注目を集めています。

これに対して…世界のだしは、素材そのものから取ることが特徴。肉・魚といったうま味成分を含んだ素材を煮出して、それをスープなどの主役として味わいます。

代表的なものは中華料理の「湯(タン)」であり、フランス料理の「ブイヨン」「フォン」ですよね。

ブイヨンは主にスープのベースとなり、フォンはソースのベースとなります。フォン・ド・ヴォーのフォンですね。いずれも牛などの肉・魚・野菜・香辛料を入れ、時間をかけて煮出すので、強くて厚みがあるうま味が特徴です。

中華料理・朝鮮料理には、白湯スープ、サムゲタン(参鶏湯)のように「湯」の文字が使われている料理がありますよね。

だしで差が出ます

だしが美味しいと料理の仕上がりに差が出るのは、言うまでもありませんよね。

だしは料理の基本。フランスではフォン・ド・ヴォーを作れるようになって初めて一人前のシェフとみなされるようですし、日本には「出汁マイスター」「だしソムリエ」といった、だしに関する資格もあります。

また、野菜をむだなく丸ごと使おうという意識の高まりから、切れ端・皮・ヘタを使って作るスープストック(野菜だし)“ベジブロス”も徐々に浸透しています。関東食糧大宮市場店の市場シェフY(通称ヨッシー)も毎週土曜日に提供する試食レシピで、ベジブロスを活用しています。

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