Loading...

客単価はどのくらいにしていったらいいんだろう?【社長ブログvol.20】

臼田社長
前回のブログで、ほとんどの原材料が上がっていく中でメニュー単価の見直しが急務ですよ!というお話をさせていただきました。
https://kanto-syokuryo.info/bs/kiji/entame/syatyo-blog19/
臼田社長
その中でじゃあどのくらい上げたらいいの?というお声が上がっていますので、今回は客単価にフォーカスを当てていきたいと思います。

世界の単価と比較して日本の外食単価は…⁉

皆さんはビックマック指数というのを知ってますか?
世界中に展開しているマクドナルドのビッグマックの価格が各国の物価の状況をよく表しているとして使われる指標です。

今の日本の順位は(2021年11月現在)なんと31位!!! 390円となります。

ちなみにビッグマック指数上位トップテンの国はコチラ
1位 ベネズエラ 918円
2位 スイス774円
3位 ノルウェー693円
4位 スウェーデン 681円 5位 アメリカ 621円 6位カナダ 584円 7位 イスラエル568円 8位 ウルグアイ 562円 9位ユーロ圏 552円 10位 オーストラリア 527円

5位のアメリカは日本の約1.6倍の621円。
そしてなんと韓国が19位で440円 タイは23位で429円 同じアジアの物価の安かったタイにも抜かれているんです。
もちろん為替の変動なども大きく影響しますので一概には言えませんが、世界中の人からも言われているように日本の外食は安い!(安すぎる!!!)なんだと思います。

2000年まではアメリカより高かったビックマック。
やはりこの失われた20年ともいわれますがデフレの中で私たち外食産業の企業も並々ならぬ努力で価格を維持、もしくは価格を下げる努力を行いデフレの中で生き抜いてきたともいえるでしょう。

良いインフレと悪いインフレ?

物価は緩やかに上昇を続け、その結果経済成長がしっかりとされ賃金も上昇していくというのがいいといわれています。この循環がいいインフレですね。
しかし今よく言われているのがモノの値段は上がるけど賃金が上がらない。そうなると生活が厳しくなってしまう人が多くなってしまうという悪いインフレになってしまうのではないかということです。これをスタグフレーションといいます。

スタグフレーション:不況で賃金が上がらないにもかかわらず、物価が上昇するという厳しい経済状態

ただ、スタグフレーションは物価上昇の場面で賃金も一緒にあげていけるのかということですのであくまで結果論でしかありません。
ですので今回の原材料高騰ではしっかり余裕をもって値上げし、賃金もしっかりと上げていくということがすべての業界で求められているということではないでしょうか?

こうすればいわゆる悪いインフレではなく、いいインフレに日本も脱却していけると私は考えています。
これを生活応援!生活防衛!とかを声高に叫んで問屋やメーカーをたたいて無理して価格を維持しようとすると悪いインフレとなり、またデフレ圧力が高まりいつまでたっても悪い循環から抜け出せなくなり、多くの国に抜かれていってしまうのではないでしょうか?

これからの価格はどう考えていくべき?

でではこれからの価格はどのように考えていったらいいでしょうか?
一つは最低賃金を参考にするということです。
こちらは2005年からの最低賃金の推移です。

東京 埼玉 群馬 栃木 茨城 千葉 神奈川 全国加重平均
2005 714 682 649 652 651 682 712 668
2010 821 750 688 697 690 744 818 730
2015 907 820 737 751 747 817 905 798
2020 1013 928 837 854 851 925 1012 902
2021 1041 956 865 882 879 953 1040 930

2005年からは大幅に上がり全国の加重平均からでも262円のアップ約1.4倍となっています。
特にこの5年間の最低賃金の上昇は大きく100円以上上がっています。
この表を見ているだけでも10年前とメニュー単価を変えてなかったらなんか儲かんないなとなりますよね。
これは政府がデフレからの脱却として最低賃金の底上げをして所得を向上させていこうという政策から来ています。

ランチの単価=最低賃金±100円と考える。

近い将来は全国的にも1000円を超え東京は1500円を目指していくこととなります。
アメリカの西海岸、サンフランシスコやシアトル、ロサンゼルスの最低賃金はは15ドルから17ドル。2000円前後となっています。
もうすでに人手不足もあり東京のアルバイト求人の時給も1200円前後となっていてこれからもどんどん上昇していきます。
これからの価格にはこの最低賃金の上昇も含めた考えにしていくべきです。
そこで…ランチの客単価=最低賃金±100円と考えてみてはいかがでしょうか?

ランチの客単価=最低賃金±100円

1時間働けば食べられる金額という風に考えれば決して高くないですよね。

しかもこの最低賃金を基準に決める考え方であれば賃金の上昇へも対応できます。
東京なら950円から1150円 埼玉なら850円から1050円など
ディナーの価格はランチの3倍と考えメニュー単価の見直しを考えればしっかりと基準がある中で見直しができると思います。

ディナーの価格はランチの3倍

将来的には1500円を目指してくると思われる最低賃金。
最低賃金を基準にこれからのインフレをいいインフレに変えて乗り越えていきましょう!

https://elite-lane.com/good-bad-inflation/
この記事を書いた人
臼田 真一朗

社会人スタートは味の素株式会社にて家庭用の営業!家庭用は神戸にてスーパーさんや問屋さん周りをしてました。関西の商いを学んでから、関東食糧へ入社。2013年から代表取締役しております。フードアナリスト1級、日本フードアナリスト協会理事、JSA公認ソムリエでもあります。食と仕事を通して皆さんの暮らしをより良くしていくために、より豊かで幸せな食空間を創造して世の中にわくわく、ウキウキ、いきいき、ドキドキを増やしてまいります!

臼田 真一朗をフォローする

コメント