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ロシアのウクライナ侵攻。外食産業への影響は?【社長ブログvol.22】


ロシアがウクライナに侵攻し大変残念ながら戦争状態となってしまいました。どんな理由があるにせよ力、武力行使による現状の変更は許しがたいことであり、断固非難いたします。
2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は激しさを増し、ロシアに対する国際的な非難が大きくなり様々な経済制裁が科せられています。

臼田社長
私たちの外食産業にも影響が出てきそうなので今わかっている状況をお伝えしてまいります(2022年3月8日現在)

ロシア上空のEU国の飛行禁止


EU(ヨーロッパ連合)がロシアの飛行機の領空内飛行禁止の措置をとった対抗策でEU各国の飛行機がロシア上空を飛行することができなくなりました。

臼田社長
これによりヨーロッパ各国から日本に空輸していた食品に大きく影響が出てきています。

真っ先にニュースになったのはノルウェーサーモンです。
ノルウェーのサーモンは通常はノルウェーやEUのハブ空港よりロシア上空を通って日本へ輸入されます。これがロシア上空が通れなくなったため中東のドバイなどを経由するルートに変更となっています。ヨーロッパ各国から日本へ来るルートはほぼロシア上空を通ってくるルートでしたので、そのほとんどが中東などを経由するルートに変更せざるを得ないので大きな混乱が生じている状況です。
ノルウェーサーモンも運賃が大きく値上がりしているだけでなく多くの商品がルートを確保できずキャンセルとなっており、市場に商品が入ってこない状況となっています。この状況はヨーロッパから空輸されてくるほぼすべての商品に該当するため、ヨーロッパ産のトリュフ、モッツァレラチーズなどもすぐには入ってこないとの情報が出てきています。

水産物の影響


ロシアからの日本国内への水産物2021年の実績でカニ380億円 冷凍卵(いくら、キャビア)322億円 サケ、マス200億円 タラコ131億円 ウニ98億円 エビ54億円となっています。
今後ロシアのSWIFT除外で決済などができなくなってくると大きな影響が出てくることと思います。また、統計には表れていない数字もあると思いますので(活ガニやウニ)これらの商品の品薄や値上がりが予想されます。

エネルギー資源価格の高騰

ロシアは原油と液化天然ガスの豊富な輸出国で特にEUへのエネルギー供給では大きな役割をしてきました。
が、今回のウクライナ侵攻によりドイツのノードストローム2などの凍結など新たなエネルギーをロシアから調達する動きは軒並み凍結され、油田やガス田開発からも欧米企業が撤退するなどで原油価格が暴騰するなどエネルギー関係の高騰が世界経済全体に悪影響を及ぼしてきています。
日本も火力発電に使われる天然ガスの7-8%をロシアから買っていましたし、エネルギー全体の高騰で電気代、ガス代、また石油を原料としたプラスチック製品(容器、包装資材)などの値上がり、物流費の値上がりなどが我々にも大きく影響してきそうです。

小麦などの穀物価格の高騰

ロシア、ウクライナは穀倉地帯でもありヨーロッパ向けの最大の小麦の産地でもあります。その生産量はロシアとウクライナを合わせるとなんと世界の25%相当。ただでさえ高騰していたところにこの戦争がはじまり過去最高値を記録しています。
戦争が長期化すると今後の穀物相場へのさらなる影響も懸念されます。また、原油価格が高騰するとバイオディーゼルへの穀物の引き合いが多くなりこちらも穀物価格の上昇要因となります。大豆、コーンも軒並み高騰してきていますので、食用油脂ももう一段上がる可能性も出てきています。

一日でも早い戦闘の停止を

戦争が長引けばさらに様々な影響が広がる懸念もあります。
まさに百害あって一利なし。
戦争は始めた人が終わらせるしかありません。
プーチン 一日でも早い戦闘の停止を強く要望します。

この記事を書いた人
臼田 真一朗

社会人スタートは味の素株式会社にて家庭用の営業!家庭用は神戸にてスーパーさんや問屋さん周りをしてました。関西の商いを学んでから、関東食糧へ入社。2013年から代表取締役しております。フードアナリスト1級、日本フードアナリスト協会理事、JSA公認ソムリエでもあります。食と仕事を通して皆さんの暮らしをより良くしていくために、より豊かで幸せな食空間を創造して世の中にわくわく、ウキウキ、いきいき、ドキドキを増やしてまいります!

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