もう2月も半ばを過ぎ、春の気配が近づいてきました。
まもなくお花見の季節がやってきますね!
ということで、今回はお花見に使える面白い雑学をご紹介したいと思います。
読んで面白いと思いましたら、ぜひドヤ顔で誰かに話してください!
ソメイヨシノは全部クローンだった
日本で桜といえば代表的なのが「ソメイヨシノ」。全国には約100万本以上のソメイヨシノが存在するといわれています!
ソメイヨシノは江戸時代にエドヒガンとオオシマザクラという2種類の桜を交配することによって、誕生しました。
「染井村」というところで生まれたことから「ソメイヨシノ」と名付けられたそうです。
染井村は現在の豊島区駒込なんですよ~!
ところがこの「ソメイヨシノ」実は人間の手がなければ交配できません!「自家不和合性」という性質を持ってるため花粉では交配できないのです。
ではどうやって増えたのでしょう?
実は江戸時代に生まれてから200年以上ず~っと、人間の手によって接木されて増えてきたのです!
つまりすべてのソメイヨシノは、もともと1本のソメイヨシノの枝から増えた、同じDNAを持っているクローンというわけです。
もし人間が手をかけなくなったら…ソメイヨシノは増えることができず、絶滅してしまいます。美しい花を咲かせてはすぐに散ってしまう桜ですが、人間がいないと消えてしまうんだ・・・と思うとより儚いものに感じられますね。
満開の桜並木が全部同じDNAだと思うと、改めて感慨深いものがあるのではないでしょうか。今年のお花見はちょっと違った思いで桜を眺めてみてください!
サ神という存在がいた
ところで皆さんは、サクラの語源って知っていますか?
調べたところ、どうやら「サ神」という存在がかかわっているようなんです。
…二文字しかないのになんかパワーのあるワード・・・。
ちなみに「さしん」ではないです。「さがみ」です。
実は日本には古来から、八百万の神として「サ」という神様がいたそうです。
「サ」は普段は神様なので神聖な山奥にいて、なかなか人と会うことはありませんが、春になると山に下りてきて田んぼの神様になります。その際に桜の木に降りてくるといわれていて、「サ」が座るところ=坐(くら)から、「サクラ」となったそうです。
ちなみに魚や酒も、頭にサがついてるのはもともと「サ神」に供えていたものだからなんです~!「サ・カナ」「サ・ケ」だったということですね!
お花見はサ神へのサービス精神だった
では、お花見はいつから始まったのでしょうか?
日本でお花見の最古の記録があるのは奈良時代です。ですが実はこの頃の花見は中国から流れてきた文化だったので、桜ではなく「梅の花」を見るのが主流だったのです!
桜が花見の代表格となったのは、平安時代です。平安時代には貴族は桜の下で宴を開き、花見を楽しむようになりました。でも庶民の間では楽しみとして見るというより、祭事的な意味合いが強く、田んぼの神様(←サ神ですね!)を祭るために桜の下で催しをするという風習だったようです。
庶民も含めて桜の鑑賞を楽しむようになったのは江戸時代です。
クローン桜・ソメイヨシノの誕生もこの頃ですね!江戸時代にはもう今のお花見のスタイルと同じように、桜の下でお弁当を広げて皆で春の訪れを楽しんでいたようです。
もうこの頃には人々は「サ」の存在を忘れてしまっていたのでしょうか?
「サ」はさみしい思いで桜の上で膝を抱えて、人々の宴を眺めていたかもしれません…。
サ神について考えたらなぜかエシカルに辿りついた
今では忘れさられ、多くの人が知らないのではないかと思う「サ神」。
忘れ去られてしまうのはなんだか悲しいので、ぜひその存在を知らない人には知ってほしい!と思いました。
一方で八百万の神が宿っていると感じる心は、実は今でも日本人 には根付いているのではないかと思うのです。
「トイレには神様がいるからきれいにね~」とか「ご飯粒には7人の神様が宿ってるから残さないようにね~」って子供に言い聞かせるセリフ、最近でも耳にするかと思います。
日本人は昔からアニミズムによって、生物や物を大切にすることを教えられてきました。このアニミズム精神ってなんだか、今話題の「エシカル」という概念につながるものを感じませんか?
新しい言葉・概念でなんだか壮大なテーマのように感じられますが、エシカルな活動は日本人は昔から当たり前のように身近でやっていて、その心はしっかり受け継がれているはずだと思います。その心を今一度思い出し、まずは身の回りの物や人を大事にするとこから始まるのではないかと・・・そんなことを思いました。
とりあえず「サ神」、漫画化してほしい
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